クリスマス2011





最近寒い日が続くねぇ。
仕方ないか、もう12月だもんね。
今日は確か・・・クリスマスだっけ?
もうすぐ1月ってことはそりゃ寒いに決まってるよね。
え?私は誰かって?
まぁそんなことよりさ、アンタ誰か待ってるの?
私確か夕方にもここを通ったと思うんだけど、そこからずっとここに立ってるからね。
恋人にでもすっぽかされた?
私には関係ない?まぁ関係ないんだけど、ちょっとぐらいお話に付き合ってくれてもいいんじゃないかな。
待ってるってあんまり良くないんだよ?
そうだね、アンタみたいに何かを待っている人にぴったりのお話があるんだ。
・・・お話って何って顔してるね。
お話っていうのは単純に怖い話。
夏でもないのに?うーん、怖い話は何も夏限定じゃないんだよ。
だって夏にだけ怖いことが起こるわけじゃないんだから。
自分がどんなにいらないと思っていても、怖いことは春夏秋冬問答無用で来るんだ。
だから今からするのはもちろん夏に起きた話じゃない。
・・・そう、冬の・・・クリスマスに起きたお話かな。

クリスマスというのは日本に住んでいるならほとんど誰もが知っている行事だよね。
特にカトリックやプロテスタントというわけじゃないけれど、何となくお祝いしてしまう聖なる日。
クリスマスの由来を知っている人はそんなにいないけれど、クリスマスにはサンタさんが来てプレゼントをくれてクリスマスツリーを飾る日というのは知っている、そんな日。
外国から入った行事にしては不思議な日だよね、クリスマスって。
クリスマスは諸説あるけれどまぁ聖人の日だよね。
えーと、確かモミの木自体の由来はドイツかどこかの国が「冬でも緑を見せるモミの木に強い生命力を感じて冬の間はそれを飾る」という風習がいつの間にかクリスマスに飾られるようになった・・・らしいよ。
だからきっとこんな風に飾られているモミの木を見たら落ち着くんだろうね。
・・・話が逸れたね。
クリスマスの怖い話だった。今のはただの薀蓄だった。
まぁそんなこんなでクリスマスっていうのは生命力溢れる日なんだよ。
・・・良くない者がよってきてしまうぐらいにね。

ある所に一組の夫婦と一人の子供がいた。
つまり三人家族だったってことだね。
ごく普通の、平々凡々とした家庭。
一般家庭でもクリスマスは祝うから、当然その家族もクリスマスを祝った。
そしてお祝いをした後は当然就寝・・・。
子供は寝たがらないけれど、そんなときは「サンタさんが来ないよ」と言えば素直にベッドに入る。
全くもって便利な日だ。
でも便利な日と同時に悩みの日でもあるんだよね、クリスマスって。
わからないかなぁ?わからないか。
単純な話だよ、子供が素直に寝ないという話。
クリスマスにプレゼントを用意するのは金銭的に困ることだけれど、自分の子供が喜ぶなら問題はない。
でもそれ以外、子供が寝たふりをするという問題が出てくるんだよね。
何でかって?アンタも昔はそうだったんじゃないかな。
サンタさんを見たがる子供って多いじゃないか。
親には素直に寝るって言っておいて、子供はサンタさんが来る瞬間を見ようとする。
そのための寝たふりだ。親はとっても困る、だって親がサンタさんなんだから。
でも子供はずっと起きていられないから、そのうち寝てしまう。そこを見計らって置く。
単純な仕掛けだけど夜遅くまで起きていないといけないから親は大変だ。
毎年同じことがあったら対策もするだろう。
どうするかって?
子供の部屋に置かなければいいんだよ、プレゼントを。
わざわざ子供が目を覚ますリスクを冒してまで子供のそばにプレゼントを置く必要なんてどこにもないんだから。
欧米では結構聞くけどね、クリスマスツリーの下にプレゼントの箱を置くって話は。
聞いたことない?聞いたことないかぁ・・・。
まぁとにかく親はクリスマスツリーにプレゼントを置くようになったんだ。
これならわざわざ子供の寝室に入らなくて済むし、万が一見つかったとしても言い訳が出来るしね。
でも子供としては面白くない。
何しろサンタさんが寝室まで入ってきてくれないと、来たかどうかわからないんだから。
建前上寝てるってことになってるんだから、寝室から出るわけにもいかない。
様子を見ようにもクリスマスツリーが飾ってある場所は居間だから部屋からは見れない。
何度もトイレに行く振りをして様子を見ていたら親に叱られてしまう。
子供は八方塞がりだ。
・・・親はそれが狙いなんだけどね。
でも子供だって考える。どうやったら様子を見続けることができるのか。
子供にしかできない方法で考える。
わからないかなぁ?わからないか。
答えは簡単。『居間に隠れる』だよ。単純明快でしょ?
サンタを信じる子供の体躯なんてたかが知れているから、電気を消している暗い場所になら息を潜めていれば見つかりにくい。
居間には珍しく暖炉があったけれど、夜は他の暖房器具に頼れるし危ないからって火が消えているからとっても暗い。
更に居間にはソファや机がたくさんあって、子供が隠れるには申し分ないと思うよ。
だからその一家の子供は居間に隠れることにしたんだ。
場所は・・・そうだなぁ、ソファの前のテーブルの下かな?
あそこなら暗かったら誰かいるなんてわからないだろうし、位置的に暖炉のほぼ前、つまりクリスマスツリーの前でもあるから誰かが近寄ってきたらすぐわかる。
電気をつけられたとしてもガラステーブルじゃないからパッと見はわからない。
まさにうってつけの場所だったんだね。

子供は夜、2時・・・いや3時かな?とにかくそれぐらい遅い時間にこっそりベッドを抜け出してテーブルの下に隠れたんだ。
もちろんクリスマスツリーの下にプレゼントが無いことなんて確認してだよ?
ベッドには自分が寝てるように偽装して・・・ね。
子供は窮屈なテーブルの下に潜り込んだ。
そしてそこでクリスマスツリーをじっと眺めた。
窮屈だけど、それに勝るドキドキとした感情が子供をそこに押しとどめた。
サンタさんを本当に見ることができたらどうしよう、サインを求めようか、それとも捕まえてしまう?
どれもこれも楽しい提案だ。
なんていったってクラスメイトの誰も見たことのないサンタさんを見れるかもしれないチャンス。
成功すれば一躍クラスの人気者になれる。
失敗しても朝が来る前に帰ってしまえば怒られない。
まさにローリスクハイリターン。
そんな状況だったら興奮するのもわかるよね。

・・・でもさぁ。【サンタさんが来る】って誰が決めた?
【クリスマスの日にはサンタさんが来る、それ以外は来ない】って誰が決めた?
誰も決めてないよね。少なくとも大人は【サンタさんが来る】とは言うけれど【サンタさん以外は来ない】なんて言ってない。
だったらさ・・・サンタさん以外が来てもおかしくないわけだ。
ここまで言ったらわかるよね?・・・そう、子供の家にはサンタさん以外が来たんだよ。
ローリスクと勝手に決めたのは子供だ。
まぁ普通はローリスクだと思うよね。
だからこれは単に運が悪かった話なんだけれどね。
・・・とてつもなく、ね。
子供が中々こないサンタさんに待ちくたびれてうとうとし始めた時だった。
暖炉から何か物音がしているんだ。
はじめは空耳と思えるぐらい小さな音だったけれど、それは段々大きくなっていった。
「ガサ、ずる、ガサ、ずる、ガサ」
一見ねずみか何かが通っているような、そんな音。
けれどねずみが通っているにしては音が大きくなっていく。
ねずみなんて大きくても大体10センチぐらいじゃない?
それより大きかったらちょっと市役所に電話がいると思うんだけれど。
子供が聞いた音はそれよりもっと大きい・・・そうだね、子供と同じぐらいの大きさのものが煙突を通っている、そんな音。
「ずるずるずるずるずる」
子供はその音を聞いてとうとうサンタさんに会えるんだって、眠気が一気に吹き飛んだ。
そして暖炉をじぃっと見て、真っ赤な服のサンタさんが降りてくるのを今か今かと待っていた。
「ずるずるずるずるずる」
その間も音は続いていて、ところどころひっかかるような音がするものの、その何かはスムーズに煙突を下りてきているようだった。
本物のサンタさんは一体どんな人なんだろう。やっぱり大きな白い髭に体格のいい体をしているのかな。
実はダイエットをしてほっそりしているのかもしれない、でないと煙突をあんなにスムーズに下りれないだろうから。
そんなことを考えながら子供は待った。
明日には皆から持て囃される自分を想像しながら。
その瞬間を今か今かと待っていた。
「ずる」
最初に見えたのは足だった。
裸足の、折れそうなほど細くて、灰色がかった不健康そうな肌。
ところどころ痣のようなものも見えた。
子供は「サンタさん、煙突で怪我しちゃったのかな?」と思った。
次に見えたのは衣服だった。
ボロボロの、何年来てもこんな服にはならないだろうってぐらいグチャグチャの、汚れた薄気味悪い灰色の衣服。
子供は「サンタさんの衣装って、真っ赤じゃなかったんだ」と思おうとした。
次に見えたのは腕だった。
足よりもガリガリに痩せてて、骨が浮いている。爪が剥がれている指も何本かある。
子供は「あれ?もしかしてアレはサンタさんじゃないんじゃないか?」と気付き始めた。
最後に見えたのは・・・頭だった。
「ひぃっ」
その頭を見た瞬間、子供は悲鳴をあげそうになった。
だってそうだ、目の前にいるのはどうみてもサンタさんなんかじゃない。
もっと別の・・・恐ろしいものだったんだから。
その頭に髪の毛はなかった。いや、ところどころ生えていたけれど、ほとんどなかった。
人としておかしいボコボコとした頭。口に何本か生えている歯は全部何故か尖っている。
鼻は二つの穴が開いているだけ。目は・・・真っ黒な、空洞のような目だった。
暗くてよく見えないけれど、子供にはそれが「良くない者」というのはすぐわかった。
本来ならば家になんて入ってきてはいけないもの、そして出会ってはいけないもの。
子供はすぐに親を呼ぼうとしたけれど、出来なかった。
何でかって?わからないかなぁ?わからないか。
子供は隠れてたじゃない、狭くて苦しい・・・テーブルの下に。
出ようとしたら確実に物音がするだろうし、出たとしても暖炉と目と鼻の先にあるそこからじゃあ両親のいる場所に
行くためにソイツの横を通らないといけない。
助けを呼ぼうにも、テーブルの下にいることがばれたら何をされるかわかったもんじゃない。
子供は自身のいる場所が絶望的な監獄だとしって震えたよ。
ほんの少し前までは幸福の絶頂だったのに、今は恐怖の絶頂だ。
テーブルの下に隠れるなんてナイスアイデア!と思ったけれど、それはそこが安全であり、
対象が両親にのみ限る場合ということに気付いたときは後の祭りだった。
何かが目の前にいるときに、テーブルの下はバッドアイデアにも程がある。
瞬時に逃げにくいのにこっそり動くこともできない。しかももしかしたら見つかってしまうかもしれない距離だ。
子供は息を潜めて侵入者が去るのを待った。
その、人間なのかすらわからない侵入者は暖炉から居間に這い出ると、フラフラとゾンビのように歩き出した。
目標もなく、ただフラフラしているだけだけれど、ソイツは暖炉付近から離れようとしない。
ソイツが居間を出て行ったら逃げ出そうと思っていた子供もどうしようもできなかった。
心臓の音がバクバクと鳴り響いて、ソイツにも聞こえるんじゃないかと冷や汗も出てきて。
カチカチと歯を鳴らしながらフラフラと歩くソイツから一瞬たりとも目を離せない。
・・・その子供はどんな気分だっただろうね。知りたくもないけれど。
長い長い時間。それこそとっくに朝がきてるんじゃないかって思うほど長い時間、子供はテーブルの下にい続けた。
けれどまだ朝は来ない。時計が見れないから今が何時かもわからない。
両親が助けに来てくれないだろうか、いや、両親が逆に殺されてしまうかもしれない。
手はぎゅっと握りすぎてとっくの昔に真っ白だ。
どうすることもできない八方塞の現実に、子供は軽く気が狂いそうになった。
けれど勝機はまだあった。
朝がくれば。そう朝がくればなんとかなる。
朝がきたからどうだってことはないけれど、少なくとも異変に気付く人がでてくる。
それに賭けるしかない。無事でいるためには朝まで息を潜めてじっとしていること・・・。
子供はそう思って、ぎゅっと目を瞑った。
危ないけれど、それでも目を瞑りでもしないと恐怖で狂ってしまいそうだったから。
次に目をあけたときは朝日だ。そして両親の顔だ。
そう信じて目を瞑ったとき、だった。
「ずるり」
・・・目と鼻の先で、音がした。
「え」
出しちゃいけない声を出してしまったことに気付いて、子供は慌てて口を手で押さえた。
そして反射的に目をあけてしまう。
次に見るものは朝日だと信じたはずの・・・まぶたを。
「あ・・・あ・・・・・・あ」
子供が目を開けて見たものは、朝日でも両親でもなかった。
息遣いさえ聞こえるような距離にいた・・・化け物だった。
「ぎゃ・・・あぎ!?」
思わず叫ぼうとした子供の腕を、化け物は掴んだ。
そしてそのままテーブルの下から引きずり出した。
子供の叫び声が変わったのは単純に掴まれた腕が折れそうな程痛かったから。
・・・いや、実際には折れていたのかもしれないけれど。
子供がそれを確かめる前に引きずり出されてしまったからね。
引きずり出された子供を見た化け物は、ニタニタと気持ち悪い顔で笑った。
口に生えた尖った歯がカチカチとなっている。
何をされるのかわからない。いや、わかっている。
あ の 歯 で 食 べ ら れ て し ま う ん だ
「嫌だああああああああぁああああああああ!」
子供は叫んだ。化け物に見つかった以上、黙って食べられるわけにはいかない。
叫んで、両親が来てくれることにかけるしかなかった。
叫んで、叫んで、叫んで。
声が枯れる程叫んで、両親が来るのをひたすら願った。
けれど両親は来ない、何をしているんだ、今こんな大変な状況なのに来ないつもりか、何て薄情な!
子供はそう考えた。まぁ無理もないよね、何せ命がかかっている状況なんだから。
両親?両親はその頃寝ていたよ。ぐっすりお休み中。
明け方にプレゼントを置こうと思っていたから、目覚ましは明け方だ。
そしてそのときの時刻は明け方からまだ1時間も2時間も早い。
つまり・・・助けは来ない。
子供は知らなかったけれどね、そんな状況。
たまたま両親が仕事で疲れて熟睡していたとか、そんな状況子供にわかるわけないし。
子供にとっては「疲れてるっていつも言う」としか思わない。
でも子供は叫び続けるしかない。それこそ「万に一つ」の可能性を信じるしかない。
けれど化け物は容赦しない。それこそ叫んでいることすら気付いていないのかってくらいに。
化け物は叫び続ける子供を無視して、首の下の皮膚にその剥がれかけた爪を突きたてた。
「ぎゃああああ!!」
その痛さに子供は絶叫する。ああこのまま自分は頭から食べられてしまうのか。そう絶望する。
でも世の中絶望なんていくらでもある。
それこそ思っていたよりもずっとずっと地獄がいくらでも・・・。
「ずるり」
何時までも近づいてこない歯に怯えながら、子供が下を向いたそのときだった。
「え・・・あ・・・ぎ・・・ぎぃいいいいいいい!!」
上半身が燃えるように熱くなった。
まるで熱湯につけられたように。
そして同時に激痛が走った。
まるで上半身を切りつけられたように。
子供が痛みに朦朧としながら火傷したような痛みを放つどこに目をやると・・・。
「あ・・・なにこれ・・・なにこれえ!!」
真っ赤、だった。
体が真っ赤、だった。
まるでペンキでも浴びたかのように真っ赤。
暗い居間でもわかるぐらいの真っ赤。
でも子供には何故それが痛みに繋がるのかわからない。
人間、想像もつかない痛みがあると、何で痛いのかわからなくなるらしいから。
けれど化け物が気付かせてくれた。親切じゃなくて、ただ化け物は化け物なりの作業を続けてただけだろうけど。
「ずるり」
「い・・・たぁあああっやめ、やめて・・・痛い痛い痛い痛い痛い!!」
化け物は何をしていたと思う?勘のいい人間なら気付くと思うけど。
・・・わからないかなぁ?わからないか。
皮をね、剥いでいたんだよ。子供の。
わかる?こう・・・首のところに爪を刺して、そこからずるりと上手いこと剥いでいくんだ。
最初は一気に、あとは千切れないよう丁寧に。
ゆっくりゆっくりと。叫んでいるものには一切興味をみせないで。
「ずるり、ずるり、ずるり」
「べちゃ、ぐちゃ、ぐち、にちゃ」
「いたいいたいいたいいたいいたい」
子供の全身は真っ赤に染まっていく。
最初は上半身だけだったのに、今や腰元まで真っ赤だ。
皮膚はずる剥けで、血まみれ。床には血がまるで水溜りのようにたまっていく。
「ずるり、ずるり、ずるり」
綺麗に腰元まで皮を剥いだ化け物はご満悦そうに皮を見ていた。
子供には一切興味がなかったみたいだね。
皮を剥がされた後、子供は乱暴に床に倒された。
その衝撃で子供はまた叫ぶけれど、化け物は一切見向きもせずに子供から剥ぎ取った皮を広げた。
ちょうど筒状の形に近い皮は、まるで服のようだった。
そう・・・服のようだった。
最初の化け物が来ていた薄汚れたぐちゃぐちゃの灰色がかった衣服。あれなんだったと思う?
ここまで言ったらわかるよね?そう・・・人間の皮だったんだよ。
化け物は今まで着ていた服を乱暴に脱ぎ捨てると、新たに剥いだ子供の皮を被った。
そして自分の体に着せたその皮を満足そうに何回か触った後、また元の通り煙突を通ってどこかに行ってしまった。
あとに残されたのは虫の息となった子供と・・・。
化け物が脱いだ、誰かの皮だった。

どうかな?この話。怖かった?
え?子供はどうなったかって?生きてるらしいよ?虫の息だったけれど、一応両親に発見されて生きてるらしいよ。
・・・どんな状態かは知らないけどね。
ん?何が言いたいかって?ああ、簡単だよ。
こんな風に何かを待ってると碌なことないかもしれないよってこと。
アンタが何を待っているかは知らないけれど、程ほどにしておかないと変なもの呼び寄せちゃうかもって話。
大丈夫っていうけど、何を根拠に言ってるかはわからないなぁ。
だって話の子供だって確実に安心だった場所で悲惨な目にあったわけだし、ないとは限らないんじゃない?
余計なお世話?んーまぁいいか。
じゃあ本題に入るかぁ。
さっき言ったよね?変なものを呼び寄せるかもって。
うん、そう。
アレね、実は私のことなんだよ。
わからないって顔してるね。単純な話だよ。
最後まで聞き終わる前に「変な子に絡まれた」って帰れば良かったのに。
既にこんな真冬に怖い話されたところで気付かないと。
子供で言うなら気味の悪い足が見えた時点で逃げないと。
だから、ね?
こういう目に合うんだ。
最初に言ったでしょ?待ってるのは良くないって。
ね?だから言ったでしょ?
これ?これは金属バット。見ればわかると思うんだけど。
そう、これでね、ほら、今から。
 潰 す か ら 



グチャ

その後


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2011/12/10