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34現世に呼ばれる媒体(包丁)について

ョル「もう少しでこの企画も終わりですネ。
お次のテーマは【現世に呼ばれる媒体(包丁)について】となりまス。
指名キャラは【月桃】と【稲】となりまス。
追加キャラは【0名】でしたので追加キャラはいませン。
最早包丁と呼べる方々なのかは不明ですが、話を聞いてみましょウ。
リクエスト者は【kurou(REN)】サンでス」

a round‐table talk

  • 34現世に呼ばれる媒体(包丁)について

    ョル「どういう用途で呼ばれてらっしゃるんでしょうかネ」

    月桃「私は……人の命ばかりだ。
    刀を言い換えたものを呼ぶのだから……そういう人ばかりなんだろう」

    稲「うーん、月桃は包丁を揶揄した言い方だからね。
    逆に私は……呼ばれることもそうないからねぇ」

    月桃「イネねぇは最古からある包丁なのだろう?
    尊い扱いをされてもおかしくはない」

    稲「縁起を担ぐ人間というのはどこにでもいるからねぇ。
    どの包丁も基本的に一緒だというのに」

    月桃「イネねぇの包丁は間合いが短いから大変なのではないか?」

    稲「そうでもないさ、逆に身が軽くてやりやすいっていうのもあるからね」

    月桃「私はこの刀なら難なく扱えるけれど……甘藻ねぇの包丁なんかはとても扱いづらいと思う」

    稲「自分の包丁はそりゃあ扱いやすいさ、甘藻だって瓶子だってぶんぶん振り回してるじゃないか」

    月桃「そういえば疑問なのだが、瓶子ねぇは御呼ばれされたとききちんとできているのだろうか?」

    稲「できてなかったら帰ってこれないよ。
    命令は基本絶対だからね、逆に瓶子みたいなのの方があっさりできるもんさ。
    それに瓶子も結構かわったもの切断してるみたいだしねぇ」

    月桃「かわったもの?」

    稲「名を冠する包丁が媒体の子達はやっぱりそれ関連で呼び出されることは絶対あるからね。
    瓶子は牛一頭とか甘藻は鮪とか芒は鰻とかやっぱりあるみたいだからねぇ」

    月桃「そういえば遠くに住んでるあのねぇやも【正月になると需要が増えるねぇ、一時的な流行りかねぇ】と首を傾げていた時期もあった」

    稲「あはは、別に他の子でもいいだろうにね、葛辺りなんかは決まったものがないから楽だと言っていたけれど」

    月桃「葛ねぇは……確か前に虎を切ったと笑っていたな。
    どういう状況なのだろうか……」

    稲「虎かぁ……またかわったものを。
    月桃「最近は私を呼ぶものがほぼいない分、少し寂しい気はするが」

    稲「人の命を切るばかりじゃないんだろう?
    昔じいさんの話相手になったと言っていたしね」

    月桃「もう跡取りもいないから刀を寄贈する予定の爺様からの呼び出しだったな。
    この世の未練を断ち切ってくれと言われたが……結びなおされてなければいいが」

    稲「それは本人の問題だね。
    本人が本当に結びたかったら結ばれてしまうものだから」

    月桃「私のことを可憐な神だと言ってくださった、いい人だった」

    稲「神を呼んだら童が来るんだからねぇ、そりゃ驚くだろうね」

    月桃「イネねぇはそういうのはないのか?」

    稲「私、か。
    私はそうだねぇ……。
    あの子達にたまに会えるだけで十分さ」

    月桃「椿ねぇではなく律儀に呼んでくれているんだな」

    稲「ああ、本来は椿だけどね。何か祭事みたいになってしまってるみたいだけど嬉しいもんさ。
    恵まれすぎているような気もするが」

    月桃「それはイネねぇの人徳によるものだからそのまま受けていればいいと思う。
    そういう関係があるのはいいことだから」

    稲「そうかねぇ、次の土産をまた考えておくよ」

    月桃「最新の甘味は皆が喜ぶな」

    稲「物は残るからね、やっぱり食べ物が一番か」

    ョル「しんみりしてきたところで今回はここまでとなりまス」